1
地球で暮らす中学一年生、シンク・イズミ。
趣味で「アスレチック競技」をやっているシンクは、若干人並み外れた運動神経の持ち主。
あとちょっとアホなのか、高いところから飛び降りたり宙返りしたりするのが好き。
明日から始まる春休みは、故郷の英国に里帰りしたり、家族や「毎朝起こしに来てくれる系幼なじみ」の女の子レベッカと一緒に花見旅行に行く予定を立てていたり。
ところが、そんなシンクを物陰から見守る怪しい影が!
2
怪しい犬の仕掛けた魔法陣的な落とし穴(※正式名称「召喚陣」)。
原始的なトラップと不思議な力のコラボレーションで、異世界フロニャルドに
召喚されてしまうシンク。
いきなりの高々度落下で、シンクの命が大ピンチ!
一方地上では、ガレット獅子団の戦士達がビスコッティ共和国へと侵攻中!
なんだか「戦(いくさ)」をしてるらしいですよ?
3
シンクを召喚したのはピンクの犬姫様――ビスコッティ共和国代表領主、ミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティ姫殿下。
しっぽをふりふり、ときめき視線120%でシンクを勇者としてスカウトするミルヒ。
ミルヒは、シンクが敗戦続きのビスコッティに勝利をもたらす「勇者」であるという事を熱く語るが、シンクは若干引き気味。でも、ミルヒから話を聞いた「戦」の内容、それは「この世界の『戦(いくさ)』とは、国交手段であると同時に、国民が参加して運動や競争を楽しむためのイベント興業である」ということ。負けると国民が「しょんぼりする」ということ。
シンクに訪れたのは「あれ?もしかしてこの世界の戦って「楽しい競技」なんじゃ?」という予感。
4
可愛い姫様や国民をしょんぼりさせては大変だし、どう見てもアスレチック競技場な「戦場(いくさば)」でも遊びたい!
ということでシンクは「ビスコッティの勇者」になる事を(かなり)あっさりと承諾!
大喜びなミルヒのマイクパフォーマンスと花火をバックに、戦場へと颯爽登場!
「姫様からのお呼びに預かり、勇者シンク、ただいま見参ッ!」
――とりあえずこの勇者、ノリノリである。